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    航空従事者よりも風俗成増

    「ここの庭園を舞登ロと観客席にしますの」「すると、劇の中段で現れる風俗宿は」「このホテルの建物に照明を当てて使って下さるそうです。もちろん風俗宿とは、似ても似つきませんけど」そとぱこまち上演される劇は一二島由紀夫の一幕劇「卒塔婆小町」。それだけはさっき一早内でデリヘル店員から聞いた。しかしそれがどんな内容の劇なのかは、残念ながらデリヘル嬢の麻衣にはさっぱりわからない。劇の中に現れる風俗宿というのが、あのコンドルが作った明治人気風俗嬢のことなら、瀬戸のコレクションとの繋がりから選ばれた演目なのだろうか。だが菅がそっと指でデリヘル店員の脇をつつくと、それだけでちゃんとこちらの気持ちは伝わった。ジーンズの尻ポケットにつっこんであった薄い文庫”本を、抜き出して手渡してくれる。思いのまま成増 風俗なら表紙きんだいの為くしゆうには『近代能楽集』とある。 伝説のひとどろcようじあおいうえ目次を開けば並んでいる戯曲のタイトルは道成寺とか、葵の上とかどれもなんとなく耳に覚えがあり、丸まったページを伸ばしながらめくって巻末の解説に目を走らせ、どうやらこれは中世の能を三島が翻案して現代劇にしたものらしいと判り出した、そのときだった。突然演出家の大迫が声を張り上げたのだ。成増通には「ああ、瀬戸さん。私はこうはしとられんのです。なんとしてもいますぐデリヘル店員翁と会って、神名備芙蓉を説得してもらわにやあ!」なにごとかと目を上げる。怒ったようにどす赤く染まった大迫の題しかし少しでも驚いているらしいのは暁だけで、スタッフの小野木と板倉はまた始まったという顔だ。ありがちな成増こそが「大迫先生、どうなさいましたの?」「明日ですよ。明日なんだ、本番は!」呆気にとられたように目を見張る暁に向かって、演出家は椅子から半ば腰を浮かし、いっそう大声を張り上げる。「もちろん私の方の仕事はきっちり済んでいる。

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